『蹴りたい』をあきらめたくない──女子ソサイチリーガーの現在地図

公開:2025.07.09

更新:2025.07.11

<strong>『蹴りたい』をあきらめたくない──女子ソサイチリーガーの現在地図</strong>

11人制サッカーの競技人口が減少している現代。

それでも「蹴りたい」と思っている女子たちがいます。学生時代は部活で全国を目指していた、クラブチームで汗を流していた、そんな彼女たちが、今はピッチから少し遠ざかっているだけ。

このコラムでは、そんな想いを抱える女子プレーヤーたちが出場している「女子ソサイチリーグ」の現在と、実際にプレーできる場所や今後の展望を紹介します。

目指すのはただひとつ。「女子ソサイチで蹴りたい人」を、たった1人でも増やすこと

ソサイチは“やめたくない”女子のための選択肢

ソサイチとは、7人制サッカーのこと。ピッチサイズはフットサルより広く、サッカーよりコンパクト。人数が集まりにくい社会人女子にとって、“7人でできる”というのは想像以上に大きな価値です。

11人集めるのは難しくても、7人なら。部活の仲間が散り散りになっていても、フットサル経験があるメンバーを誘っても、ギリギリ形になる──そんな手応えを感じられるのがソサイチ。

また、11人制では出場機会が限られていたポジションの選手も、ソサイチでは攻守にわたって積極的に関われる機会が増えるため、プレーの楽しさがより際立ちます。動き続ける展開、少人数だからこその一体感。

まさに「サッカーの面白いところだけを凝縮した競技」ともいえるのが、ソサイチです。

ケガの不安、フィジカル差、過去のトラウマなど─も、気軽に参加できるソサイチでは比較的払拭されやすく、同じような想いを抱える仲間と出会うことで、スポーツの新たな価値を再発見するきっかけにもなっています。

「また蹴れた」──参加者の声が物語る、女子ソサイチの意義

実際にF-CHANNEL主催で行われている「女子ソサイチ選手権」には、こんな声が集まっています。

「久しぶりに本気で走った。今も体がきついけど、すっごく満たされた感じがある」
「大学ぶりにスパイク履いた。やっぱり私、サッカー好きだなって思えた」
「知らないメンバーと組んで、最初はぎこちなかったけど、最後は一緒に喜べた」

過去に3度開催された女子ソサイチ選手権。SNSでも大会後は「#また蹴りたい」「#女子ソサイチ」のタグがにぎわいます。

注目すべきは、参加者のバックグラウンドが非常に多様であること。元実業団の選手から、社会人でフットサルを始めたばかりの初心者まで、年齢もプレースタイルもさまざまな女性たちが、“サッカーが好き”という一点で繋がっていました。

そして、試合後の一体感や、全力で身体を動かした達成感。「勝った・負けた」以上に、彼女たちの笑顔は“何かを取り戻した”ような輝きを放っています。

それはきっと、かつて夢中になって追いかけたボールの感覚、仲間と声を掛け合った青春のひとコマが再び目の前に現れたから。

女子ソサイチの魅力──フットサルでも、サッカーでもない“ちょうどいい”場所

ソサイチは7人制で、1チームあたりの人数が少なくて済むだけでなく、ポジションの流動性や攻守の入れ替えスピードが早く、1人1人の関与度が高いのが特徴です。

また、ルールもサッカーとフットサルの中間。スローインではなくキックインで再開するなど、初心者でも直感的にプレーしやすい仕組みになっています。さらに、ソサイチならではの“遊びのある自由なプレー”は、技術的なハードルを感じていた女性にも魅力的に映ります。

ボールを回すリズム、走るタイミング、仲間との連携を肌で感じながら、楽しみながらプレーできるのが最大の魅力です。

観客としての参加もしやすく、子育て中のママ選手が子どもを連れて応援に来るなど、生活とプレーが共存できる雰囲気も特筆すべき点。プレイヤーに優しく、ライフスタイルに寄り添うスポーツとしての在り方が、ソサイチの可能性をさらに広げています。

次に蹴れるのは、あなたかもしれない──今後の予定と展望

女子ソサイチ大会は、F-CHANNELが運営する「女子ソサイチ選手権」は、女子ソサイチに特化したリーグ戦の創設や、ワンデイ大会との併開催、個サル(個人参加型)の導入など、エフチャンネルを中心に新たな動きも!
WOMEN’S FOOTBALL 7 SOCIETY LEAGUE【女子ソサイチリーグ】2025-2026@JSFP多摩&調布

女子ソサイチは“単発のイベント”を超えて、新しい人間関係や小さなコミュニティを生む「きっかけの場」としても機能しています。

F-CHANNELは今後、地方開催の強化やユース世代への広がりも模索しており、10代〜30代の女性が一緒に楽しめる“世代横断型”の大会として発展する可能性もあります。

女子ソサイチは「仲間づくり」の場にもなる

ソサイチの魅力はプレーそのものに留まりません。試合を通して自然と生まれるコミュニケーションや、新たな仲間との出会いこそが、女子ソサイチならではの財産だと感じている参加者も多いのです。

特に「女子だけ」という安心感のある空間では、遠慮なく声をかけ合い、相談し、笑い合う関係性が築かれやすくなります。

仕事やライフスタイルが異なる人同士が、ピッチを通じて繋がり、「また一緒に出たい」「次は友達を連れてこよう」といった流れが生まれています。

実際、過去の大会参加者からは「ここで出会った仲間と、月イチで個サルを立ち上げた」「SNSでつながって、次の大会情報を共有している」など、新たなコミュニティが生まれたという声も多数寄せられています。

単なる“蹴る場”を超えて、“語れる場”でもある女子ソサイチ。社会に出た後の女性たちが、新たな人間関係を築ける貴重な居場所にもなっているのです。

F-CHANNELが届けたいのは「自分のために蹴る時間」

サッカーをする場所が減っている。チームがなくなった。仲間が減った。忙しくなった。そんな「できない理由」が増えている今だからこそ、あえて言いたいのです。

「蹴りたい気持ち」は、どんな理由よりも強い。

F-CHANNELは、女子ソサイチを通じて、その気持ちを形にできる場所をこれからもつくっていきます。大会を通して、誰かと出会い、思い出をつくり、自分の体を使って“好き”を再確認できる──そんな時間を、より多くの女性に届けたい。

さらに、女子ソサイチを“競技”として高めたいという声もあります。リーグ化・年間ランキング制など、より本格的な環境で技術を磨きたいプレイヤーも歓迎される体制が整いつつあります。

誰にとっても開かれた競技。それが、F-CHANNELが描く女子ソサイチの未来です。

📣 次回の「女子ソサイチ選手権」開催情報は
F-CHANNEL公式サイト または
Instagram(@fchannelnet)の「女子アーカイブ」からチェック!

この記事を書いたライター

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青城 碧花

1983年9月26日 埼玉県出身 スポーツ観戦が大好きな二男二女のママライター。1993年のJリーグ開幕は今でも鮮明に覚えている。現在はソサイチの魅力を多くの人に知ってもらおうとフリーライターとして活動中。

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